tonkatuのおしゃべり

まっきーの研鑽記

ラーメン二郎には二度と行かねえ

手汗を消滅させたら利点しかない ~ 100人に1人が得をする話 ~

2週間ほど前、手掌多汗症の手術を受けてきました。

手掌多汗症とは手汗が人より多く出て日常生活に支障をきたしている状態のことです。 汗が出るタイミングに精神的なもの(緊張など)は殆ど関係ないのが手のひらの多汗症の特徴らしいです。

自分の症状

自分も緊張などは関係なく常に手汗が出ている状態でした。強いて言えば、寒い場所から暑い場所に移動したときに汗が多く出やすいです。

これが普段の自分の手です。よく見ると汗でテカっているのがわかるでしょうか。

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術前の自分の手

手相が分かる人はついでに診断してくれるとうれしいです。

手汗が出ると不便なこと

  • PCのキーボードを触っているとどんどん濡れていく
  • ビンのフタとかペットボトルのフタが手汗で滑って開けにくい
  • ボルダリングでヌメる(スベる)
  • 末端冷え性 (手が冷たい) になる

などなど、いろいろな場面で不便な思いをしています。

病院へ行こうと決め手はボルダリングでヌメるのが大きかったです。3年くらい前からボルダリングを趣味でやっていて、最近は月2くらいのペースで行っています。そんなボルダリング大好きな僕がつらいのは、チョーク(滑り止め)をたっぷりつけてるのにゴール手前でヌメって落っこちることです。見ると手のひらのチョークは全て手汗で消えており、次の課題にトライするたびにまたチョークをたっぷりつけます。

一生やると決めたボルダリング、こんなに不利でめんどくさい思いをするのは嫌でした(手汗つけちゃうと他の人にも悪いし)。

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ボルダリングをしている様子

病院

手掌多汗症は9万円くらいで手術で治せると調べてわかったのでやっちまおうと思いました。 病院選び方は 「手掌多汗症 病院」とかでググって上の方に出てきたのを見て、手掌多汗症の手術実績が多そうな四谷メディカルキューブを選びました。

www.mcube.jp

まず、手掌多汗症の合同の説明を受ける必要があったので、Web で予約をしました。

病院1日目 ~ 説明,検査日 ~

2月初旬に病院へ行くと、まずは4,5人で医者からの説明を受けました。 手掌多汗症に悩んでいる人は100人に1人いるらしいです。多いですね。 治療法としては、手術以外にも塗り薬などいろいろあるらしいですが、あまり効果的ではないらしいです。 簡単で永久的な効果が得られるのが脇の下から内視鏡を入れ交感神経を切るその名も「胸腔鏡下交感神経節切除術」です。全身麻酔なので意識がない状態で手術が終わります。1時間ほどで終了します。 副作用として 代償性発汗 と呼ばれる、手汗の代わりに違う部位に多く汗をかくようになってしまうという症状が出ることが多いらしいです。

治療法について詳しくは 手掌多汗症(手汗)の治療について|四谷メディカルキューブ

大体の説明は事前に調べていた内容通りでしたが、内視鏡手術の実際の動画も見せていただき、面白かったです。

次に医者と1対1で話し合いました。

医者に手を見せつつ、

医者「今現在の手汗の量は、自分の最大の手汗を10としてどれくらいですか?」

というなかなか難しい問いを受けて、確か 「6くらいですね」と答えました。

医者「では、そんなにひどくはなさそうですね、軽度です。」

みたいな会話をしました。症状を定量的に測ることなく、こういった感覚的なことでチェックしていました。

医者「 軽度だから手術するほどじゃないかもしれないけど、 どんなときに手汗がつらいと感じますか?」 自分「PCを触るときキーボード触るのつらいです、あと一番つらいのはボルダリングです」

医者「なるほど。ボルダリングか。つらそうですね」 自分「はい。けっこうつらいです」

といった感じに会話が進み、手術をする運びになりました。予想通り自分は手掌多汗症の中では軽度な方なので、手術はできないと言われたらどうしようと思っていましたが、かなりすんなり手術する方向になって良かったです。

その後、血液検査や、心拍、肺活量、レントゲン、麻酔の説明、入院(日帰り)の説明、支払いの説明 などを順番に受けていき、手術の日程(40日後くらい)を決めて帰宅となりました。健康診断のように順番に周っていく感じで、1つが終わるとファイルを持って次の受付に渡してねっていう流れで、分かりやすくて良いUXでした。待ち時間もどこも2分ほどだったのでとてもスムーズでした。

この日病院にいた時間は 2時間半くらい でした。待ち時間が全体的に少なくてとても良かったです。

手術当日

9:30 に到着。前日23:00 から絶食命令がでていたので朝飯が食えずめちゃくちゃ腹が減っていました。 採血と血圧計測をしたあと、手術用の服に着替えて手術室へ。

はじめての手術室にけっこうワクワクしていました。全身麻酔でどんな感じで意識が消えるのか興味津々でした。

手術室に入ったあと、手術台に仰向けに寝たあと、麻酔用のマスクをつけられます。麻酔のガス(?)が送られてきて、「大きく息を吸ってください」と言われた15秒後くらいには意識がなくなってました。こんなに速攻で意識が消えるとは思っておらず、不意をつかれた感じがしました。ドラマとかでよくあるクロロホルムを染み込ませたハンカチを当てられて即意識を失った気分でした。

気づくと意識が朦朧としてるなか手術室から病室にガラガラと運ばれている最中でした。病室に到着して声をかけられて完全に意識が覚醒しました。全身麻酔をした関係で、呼吸を確保するために喉に管が入れらていたので喉がイガイガしてまあまあ痛かったです(1時間くらいでだいぶ楽になりましたが)。左手には点滴が入っている状態でした。内視鏡をいれた脇の下に若干の痛みがありました。

時間を見た感じ、手術は1時間くらいで終わったらしいです。 自分の手を確認すると手汗を全く書いておらずサラサラに乾いていて、既に手術の効果が現れてるなというのが実感できました。 少し安静にしてから、歩ける状態か確かめるために病院内を歩き回りました。

めちゃくちゃ腹が減っていたので案内された自販機でカロリーメイトみたいなやつを買って病室で食べた。

しばらくスマホさわったりして安静にしていると、医者や看護師が術後どうなるかみたいな説明をしてくれた。 脇の下には絆創膏を1週間くらいは貼るようにするよう言われた。

痛みが出る可能性があるらしいので、痛み止めの薬を渡されましたが、実際痛みは殆どなく、飲む必要はありませんでした。

その後支払いをして14:00 くらいに帰宅しました。普通に電車で帰った。 という感じで病院の滞在時間は 4時間半ほど でした。

術後の経過

術後1週間ほどは風邪をひいたみたいにノドがイガイガしてました。 脇の下の痛みはほとんどありません。懸垂など激しい運動をするとちょっと違和感を感じるくらいでした。 手術から2週間ほど経つ今日は全く体に異常はなく、健康そのものです。 術後1ヶ月は落ち着かない期間が続く(?)みたいに言われたけど、全くそんなことはなく自分の体が強靭なのかなと思いました。

そして肝心の手汗ですが、ほんっっっっとうに全くかかなくなっててビックリしました。 ちょっとくらい汗書いても良いんじゃないのって思うほどホントにピタっと止まってます。 これが健常者の状態なのかと感動しました。キーボードも濡れないし、ペットボトルの蓋も空けやすい。 でも手があまりにも乾きすぎて紙のページをめくりにくいです。中学の高齢の先生がプリントを配る前に指をなめていた気持ちが分かるようになりました。紙を触る感覚としては逆にちょっと不便な気がします。

とにかく触るもの全ての感覚が術前と違います。今までは触るもの全てが湿っていましたが、今は触るもの全てが乾いていて、逆に滑るきがします(乾きすぎても濡れすぎても滑るのは不思議ですね)。

そしてボルダリングをしてみましたが、これが感動するほど良かったです。 今までトライするたびにチョークをつけていましたが、何回トライしても最初につけたチョークがほとんど落ちずに白いまま。なにより汗の心配をせずに安心して登れるのが気持ちいです。

PCを触っているときもだんだん濡れていくキーボードを定期的に拭く必要はなくなり、快適になりました。ペアプロのときに自分のキーボードを他人に気兼ねなく触らせることができますね。

そして 末端冷え性が治りました。 手掌多汗症の人は冬でも汗が出るので手が冷えて末端冷え性になる人が多いらしいです。冬に手を晒して歩いたら信じられないくらい手が冷たくなるのでいつもポケットに手をいれて歩いて(走って)いたのですがもうその必要はありません。腕を振って走れます(走りたい)。手汗が消えると同時に冬の手に温もりを得ることができました。

そして iPhone指紋認証が通ります。 いや、汗かいてると高確率で通らないんですよアレ。

そして気になる代償性発汗ですが、今のところあまり感じていません。強いて言えば、大腿部や足がいつもよりも多く汗かくかな〜(多分) くらいの感覚です。

健康保険限度額適用認定

医療費が高額になる場合、申請を行えば負担を少なくできる制度があります。 手続きとしては単純で、下記Web ページから申請書のPDFを落としてきて印刷。 申請書を健康保険証に書いてある保険協会に郵送。だいたい1週間くらいで証明書が送られてきます。それを手術当日に窓口に渡しました。

健康保険限度額適用認定申請書 | 申請書のご案内 | 全国健康保険協会

手術が失敗する可能性は?

0に近そうです。4000件の手術をやってきて、8例ほどが完遂できなかったらしいです。(脂肪が邪魔だった場合や、肺表面と胸壁に癒着があった場合など)。 また、万が一失敗しても死んだり重症になったりした例はないので安心だと思います。

まとめ

  • 9万円くらいで手汗が永久的に直る。
  • 事前の説明、検査の日に2時間半, 手術当日に4時間半ほどしか拘束されない。 ( 術後3ヶ月後に経過を報告しにまた病院にいくことになっています)
  • 手術は全身麻酔なので感覚的には5分で終わる。
  • 手術は超高確率で成功する
  • 術後はほとんど体に異常がない
  • (自分の場合) 代償性発汗がほとんど感じられない

自分は手術をして本当に良かったと思っています。 手掌多汗症は100人に1人と言われましたが、僕は軽度なほうなのでその100人に入ってるかどうかも怪しいと思っています。なので実際には僕のように軽度な手汗に悩んでる方がもっといそうな気がします。 そんな人達がこの記事を読んで気軽に手術に踏み出す一歩になれば良いなと思っています。

もしこの記事を読んで手術したという方がいれば教えてください笑

ではでは〜。